分子栄養学認定カウンセラー
リメイクサロンモモ気功整体師 徳田 富雄

 先に40年以上にわたり過敏性腸症候群で苦しんできた青森市在住の女性がグルテンフリーで改善した事例をお話ししましたが、今回は小麦製品(グルテン)が健康に及ぼす影響とグルテンを含む食品及びグルテンフリー食材について説明します。

 こんな症状はありませんか?
□体が常にだるい
□頭痛、関節痛など痛みがおきる
□風邪をひきやすい
□頭がぼーっとして、集中できない
□アレルギー体質である
□わけもなくイライラしたり、不安定になる
□ポッコリお腹(いわゆるメタボ体型)
□湿疹、蕁麻疹、皮膚のトラブル
□下痢、便秘
□吐き気、胃腸の不快感

 パンや麺類が大好きで毎日食べている方がこのような症状に悩まれている場合は、小麦のグルテンが原因になっている可能性が考えられます。

 「グルテン」とは、主に小麦に含まれるたんぱく質が、水を入れてこねる過程で形成されるたんぱく質のことです。グルテンが形成されると、粘弾性のある生地となり、この特徴を生かしてパンやうどんなどが作られます。

【グルテンが有害な理由】
 
 正常な腸粘膜では選択的に異物と必要な栄養素を仕分けていますが、多くの人がグルテンを分解する酵素が不足しており、消化されないまま腸粘膜に到達し、炎症・リーキーガット症候群(腸漏れ)、自己免疫疾患の原因となります。

 グルテンは消化酵素により「グリアドーフィン」というペプチドを経て、アミノ酸まで分解され腸管から吸収されます。しかし、腸内環境の乱れがあると、通常は吸収されない「グリアドーフィン」の状態で吸収されます。このペプチドは、構造がモルヒネ様物質と非常に似ているため脳内の受容体と反応します。そのため、腸内環境が悪い人にとって、グルテンは中毒性になってしまうわけです。

 その他の小麦粉の問題として、血糖値の急激な上昇作用、遺伝子組み換え・漂白剤・防腐剤・ポストハーベスト農薬の問題もあり安心して口に入れられない食品になってしまっています。

 輸入小麦には、輸送中に害虫がついたりカビが生えたりしないよう、ポストハーベスト(収穫後にかける農薬)を使用しています。ポストハーベストは通常の農薬よりもかなり濃い濃度で使用されているので、健康への影響が懸念されています。

【グルテンを含む食品】

・小麦製品(パン、パスタ、ピザ、ナン、ラーメン、うどん、そうめん、麩、マカロニ、肉まん、餃子、シュウマイ、春巻きの皮、お好み焼きやたこ焼きなどの粉もの、十割そばでないそば、ケーキやクッキーなど)

・麦飯、押し麦(大麦)などが入っている雑穀米

・シリアル製品

・市販のカレーやシチューのルウ、クリームソースなど、ただし手作りで小麦粉を使わないものならOK

・てんぷらやとんかつなどの揚げ物(衣に小麦粉やパン粉を使用している)、ただし素揚げ・片栗粉を使った竜田揚げ等はOK

・加工食品のハンバーグ、魚肉ソーセージ、水産練り製品はつなぎとして小麦粉が使われていることがあるため要注意

・麦茶、ビール、ウイスキー、麦焼酎など大麦が原料の飲料、ただし大麦若葉の青汁はグルテンフリー

・醤油(たまり醤油やグルテンフリーの醤油ならOK)

・麦味噌(豆味噌や米味噌はグルテンフリー)

・ドレッシングなどの調味料

【グルテンフリー食材の代用】

・ムニエル…米粉でパリッと

・唐揚げ…米粉と片栗粉を1:1

・フライ…おからパウダーや米粉パン粉(米粉パン粉は小麦パン粉より油を吸いにくいのでヘルシーでサクサク。ネットで購入できます。)

・ルウ…豆乳とブイヨン(西洋出汁)に米粉でクリームシチューやホワイトソース

・カレー…米粉を入れても良いし、とろみをつけずにさらさらスープカレー、ココナッツミルクでタイ風カレーなど

・ハンバーグ…つなぎにおからパウダーや高野豆腐、米粉など

・お好み焼き、たこ焼き…米粉を使用

・パンやケーキ…米粉、グルテンフリーパンケーキミックス

・パスタ…グルテンフリーパスタ

・麺類…十割そば、春雨、ビーフン、フォー、アワや米の穀物麵など